庭の地面が沈む・陥没した|考えられる原因と相談先の切り分けをわかりやすく解説
- 沈下
- 陥没
- 相談先
- 庭の異変
「庭の一角がへこんできて、雨が降ると水がたまるようになった」「歩いていたら急に足元が沈んで、下に穴が開いていた」「タイルや飛び石の一部だけが下がってきた」——庭の地面の沈みは、ただの土の締まりで済む場合と、下に何かがある場合とで意味がまったく違います。
本記事では、庭で地面が沈む主な原因を整理し、庭業者に相談すればよい範囲と、設備や建物の専門家に見てもらうべき範囲を切り分けます。庭の作業で扱える部分と、給排水の設備や建物の基礎、擁壁などの領域は別物であり、ここを間違えると時間とお金を無駄にします。原因の特定は現地を見ないと決められないため、本記事は「誰に何を聞けばよいか」を判断するための材料としてお読みください。
結論:「どこが」「どう」沈んだかで相談先が決まる。建物に近い沈みと、穴が開く沈みは急ぐ
庭の沈みを見たら、まず場所・形・進み方の三つを見てください。場所が建物のすぐそば、擁壁や塀のきわ、排水桝や水道メーターのまわりであれば、庭だけの話ではない可能性があり、急ぎます。形がゆるやかなへこみなら土の締まりや埋めたものの分解が疑われ、縁が立った穴として抜けているなら下に空間があることを意味するため、危険です。進み方が雨のあとに一気に進む場合は、水の流れが土を持っていっている可能性があります。穴が開いている場合は、まず人とペットが入らないようにしてから連絡する——これが最優先です。土を入れて埋め戻すのは、原因が分かってからにしてください。原因が下にある場合、埋めても同じことが繰り返されます。
庭の地面が沈む主な原因(5つ)
原因によって、相談先も費用の桁も変わります。まずは当てはまりそうなものを探してください。
原因1地中に埋めた木や根、有機物が分解されて体積が減った
以前あった木の切り株や太い根、造成のときに埋められた木材や枝などが、時間をかけて分解されると、その分の体積が減って上の土が下がります。庭でよく見られる原因のひとつで、木を切った場所や、造成から年数がたった庭で起きやすいとされています。この場合は、ゆるやかなへこみとして現れることが多く、土を入れて均せば実用上は済むことがあります。ただし、同じ場所が繰り返し沈むなら、下に残っているものが大きい可能性があります。
原因2配管や排水桝のまわりで、水が土を運び出している
給排水の配管の継ぎ目や、排水桝の周囲に隙間があると、そこから水と一緒に細かい土が流れ出て、地中に空間ができることがあります。この場合、地表からは分かりにくいまま進み、ある日抜けるように陥没することがあります。排水桝や水道メーターの近くの沈み、雨のあとに進む沈み、水が引かない場所の沈みは、このパターンを疑ってください。給排水の設備は、地域の指定を受けた工事事業者が扱う領域です。
原因3古い設備の跡や、埋設されたものの上が抜けた
使われなくなった浄化槽や井戸、古い枡、以前の建物の基礎の一部などが地中に残っていることがあります。上にふたや板がかぶせられただけの状態だと、経年でそれが抜けて陥没することがあります。中古住宅や古い家では、図面に残っていないことも珍しくありません。縁が立った穴として抜けている場合は、このパターンを強く疑い、近づかないでください。井戸や池の扱いは井戸・池のある庭の管理の記事も参考になります。
原因4雨水の流れが決まった場所を通り、土を削っている
屋根やカーポートから落ちる雨水が同じ場所に当たり続けると、土が削られて沈みます。傾斜のある庭で、水の通り道になっている部分が線状にへこむこともあります。これは地中に空間ができているわけではないため、水の落ちる位置を変える、砂利や資材で受ける、といった対処で改善することがあります。水の流れの見方は庭の水はけ改善の記事を参考にしてください。
原因5敷き直しや締め固めが不十分だった場所が、あとから締まった
タイル、レンガ、飛び石、砂利などを敷いた下地の締め固めが足りないと、使っているうちに沈んで段差ができます。局所的に一枚だけ下がる、歩く場所だけ下がるといった出方をします。この場合は、下地からやり直せば直ります。ただし、下地の問題なのか、さらに下に原因があるのかは、はがしてみないと分からないことがあります。飛び石や敷材の劣化はレンガ・枕木の劣化と交換の判断の記事にまとめています。
沈みに気づいたときの手順(4ステップ)
埋め戻すのは最後です。先に安全と記録を優先してください。
- 1
穴が開いている場合は、人とペットが入らないようにする
縁が立った穴、下に空間がありそうな沈みは、上に乗ると崩れて広がることがあります。周囲にコーンや物を置いて近づけないようにし、子どもとペットを庭に出さないでください。穴の中をのぞき込むために縁に立つのも避けます。深さや広がりを確認しようとして踏み抜く事故が起きやすい場面です。夜間は特に見えにくいので、照明や目印も用意してください。
- 2
場所・形・大きさ・進み方を記録する
建物からの距離、排水桝や水道メーター・擁壁との位置関係を確認し、写真を撮ります。大きさが分かるよう、定規や見慣れた物を一緒に写してください。沈みの縁がゆるやかか、立っているかも記録します。数日から数週間おきに同じ構図で撮ると、進んでいるかどうかが分かります。雨の前後で変化するかも重要な手がかりです。
- 3
場所に応じて相談先を選ぶ
建物のすぐそば、基礎や土間のきわであれば、建てた住宅会社や建築の専門家。排水桝・水道メーター・配管の近く、水が関わっていそうな場合は、給排水の設備を扱う指定の工事事業者。擁壁や斜面のきわなら、土木・建築の領域です。庭の中ほどで、切り株の跡や花壇の一角といった場所なら、まず庭の業者で対応できることがあります。どこに聞けばよいか分からない場合は、自治体の代表窓口に状況を伝えて案内を受けてください。
- 4
原因が分かってから、埋め戻しや直しを行う
土を入れて均せば見た目は戻りますが、原因が下にある場合は同じことが繰り返されます。しかも、そのあいだに地中の空間は広がっているかもしれません。原因の見当が付いてから、必要な工事の範囲を決めてください。庭側の直しで済む場合は、土の入れ替えや下地のやり直しで対応できます。応急的に安全を確保するための養生は、原因調査の前でも構いません。
地面の沈みでやってはいけないNG行動
NG:沈んだ場所に乗って、深さを確かめようとする
地中に空間がある場合、縁は見た目より弱く、乗った瞬間に崩れることがあります。確認したい気持ちは分かりますが、深さや広がりは離れた位置から見て、写真で記録すれば足ります。棒を差して確かめる場合も、穴の縁ではなく離れた位置から行い、埋設物を傷つけないよう強く押し込まないでください。
NG:原因を確かめずに、土を入れて埋め戻す
配管まわりの土が流出している場合や、古い設備の上が抜けている場合、埋め戻しても水が土を運び続け、また沈みます。しかも、繰り返すたびに地中の状況は悪くなっている可能性があります。見た目の対処を先にすると、本当の原因の発見が遅れます。特に、同じ場所が二度目・三度目の沈みであれば、埋め戻しはやめて相談してください。
NG:建物や擁壁のきわの沈みを、庭の問題として扱う
基礎のきわ、土間との境目、擁壁や塀の足元での沈みは、庭の範囲を超えている可能性があります。庭業者に土を入れてもらって終わりにすると、建物側の問題を見逃すことになります。建物に近い沈みは、住宅を建てた会社や建築の専門家に、擁壁や斜面に関わるものは土木・建築の領域に相談してください。塀や境界に関わる場合の見方は敷地境界と塀の記事も参考になります。
NG:配管や設備が絡みそうな場所を、自分で掘る
配管、電線、ガス管などが埋設されている可能性がある場所を自分で掘ると、傷つけて被害を広げるおそれがあります。特に、排水桝や水道メーターのまわり、建物から道路へ向かうラインの上は注意が必要です。給排水の設備は地域の指定を受けた工事事業者が扱う領域です。排水桝の点検で自分が見られる範囲は排水桝の点検の記事にまとめています。
誰に相談すればよいかと、費用の見方
相談先の切り分けは、庭の中ほどで、埋まった根や切り株、下地の締まりが原因と思われるものは庭業者、配管・排水桝・水道まわりは給排水の設備を扱う指定の工事事業者、建物のきわ・基礎・土間は住宅を建てた会社や建築の専門家、擁壁・斜面・護岸は土木・建築の領域、道路や公共の施設に関わるものは自治体——これが基本です。庭業者に来てもらった結果、「これは設備の話です」と言われることもありますが、それも有益な切り分けです。どこに聞けばよいか分からない場合は、写真を持って自治体の代表窓口に相談すると、担当を案内してもらえることがあります。
庭側の作業で済む場合、費用は面積、土や砂利の量、下地をどこまでやり直すか、重機が入れるかによって変わります。切り株が原因で、除去が必要になる場合は伐採・抜根の扱いになります。当サイトのレビュー記事作成時の調査では、お庭マスターが伐採1本3,300円〜という掲載値を確認していますが、これは最低価格であり、地中の根の処理は別扱いになるのが一般的です。原因が分からない段階では、まず現地を見てもらうことを目的に依頼し、その結果を踏まえて工事の見積もりを取るのが順番です。
水がたまる・引かないという症状は庭の水はけ改善の考え方、排水桝の見方は庭の排水桝の点検の基本、切り株を残した場合の影響は切り株を放置するとどうなる?、敷材の沈みはレンガ・枕木の劣化と交換の判断、中古住宅を買ったときの庭の確認は中古住宅購入時の庭の現状確認にまとめています。
原因の見当を付けるところから、まず現地を見てもらう
沈みの原因は、場所と形と進み方を実際に見ないと切り分けられません。現地調査・見積もり無料のサービスなら、状況を見てもらったうえで次の相談先まで判断できます。
庭の地面の沈みのよくある質問
Q.庭の一角がへこんできました。危険ですか?
A.ゆるやかなへこみで、建物や排水桝から離れた場所であれば、埋まった根や有機物の分解、土の締まりといった庭の範囲の原因であることが多いとされます。一方、縁が立った穴として抜けている、建物や擁壁のきわで起きている、雨のあとに一気に進む、といった場合は、地中に空間がある可能性があるため急いで相談してください。まずは人とペットが近づかないようにしましょう。
Q.とりあえず土を入れて埋めてしまって構いませんか?
A.原因が分かっている場合(たとえば切り株を抜いた跡)であれば、土を入れて均すことで実用上は済みます。しかし、配管まわりの土の流出や、古い設備の上が抜けている場合は、埋め戻してもまた沈みますし、そのあいだに地中の状況は悪くなっている可能性があります。二度目・三度目の沈みであれば、埋め戻す前に相談してください。
Q.どこに相談すればよいか分かりません。
A.場所で切り分けてください。庭の中ほどなら庭業者、配管や排水桝・水道まわりなら給排水の設備を扱う指定の工事事業者、建物のきわや基礎なら住宅を建てた会社や建築の専門家、擁壁や斜面なら土木・建築の領域です。判断がつかない場合は、写真を持って自治体の代表窓口に状況を伝えると、担当部署を案内してもらえることがあります。
Q.中古で買った家の庭です。地中に何があるか分かりません。
A.古い浄化槽や井戸、以前の建物の基礎の一部などが残っていることがあり、図面に載っていないことも珍しくありません。まず、購入時の重要事項説明や図面、売主からの引き継ぎ資料を確認してください。分からない場合は、庭の業者に現地を見てもらって、掘らずに分かる範囲の見当を付けてもらうのが出発点になります。中古住宅の庭で見るべき点は、中古住宅購入時の庭の現状確認の記事にまとめています。