ひこばえ・胴吹き枝が出る|出る理由と切り方・時期をわかりやすく解説
- ひこばえ
- 胴吹き枝
- 剪定
- 幹の異変
「木の根元から細い枝が何本も伸びてきた」「幹の途中から、ひょろひょろした枝が急にたくさん出てきた」「切っても切ってもまた出てくる」——根元や幹から出る細い枝は、放っておくと木の姿が乱れ、どう扱えばよいか迷う困りごとです。
根元や根から出る若い枝はひこばえ、幹の途中や太い枝から出る枝は胴吹き枝と呼ばれます。どちらも、樹種の性質や剪定への反応として出ることが多い一方で、木が弱っているときに出やすくなるとも一般に説明されます。本記事では、なぜ出るのか、心配したほうがよいのはどんな場合か、そして切り方と時期の考え方を整理します。伐採後の切り株から出る芽については、別の記事にまとめています。
結論:基本は小さいうちに付け根から切る。ただし「急に増えた」なら木の状態も見る
ひこばえや胴吹き枝は、多くの場合、見つけたら小さいうちに付け根から切り取るのが一般的な扱いです。放っておくと養分が分散し、樹形が乱れ、風通しも悪くなるとされます。ただし、見落とさないでほしいのが「以前より急に増えた」という変化です。強く切り詰めた直後でもないのに、幹のあちこちから胴吹き枝が出てきた、上のほうの枝の葉の付きが悪くなってきた、といった場合は、根や幹に何らかの問題があり、木が弱っているサインの可能性があります。また、接ぎ木で育てられた木では、根元から出る枝が台木のものであることがあり、こちらは早めに取り除くのが基本とされます。切るだけで済ませず、なぜ出ているのかに目を向けることが、木を長持ちさせることにつながります。
ひこばえ・胴吹き枝について押さえておきたい5つの一般知識
なぜ出てくるのかを知っておくと、切るべきか、木の状態を見るべきかの判断がしやすくなります。
基本1幹や根には、普段は眠っている芽があるとされる
木の幹や根元には、普段は伸びずに眠っている芽があり、何かのきっかけで目を覚まして枝になると一般に説明されます。ひこばえや胴吹き枝は、この眠っていた芽が動き出したものと考えられています。きっかけとしては、強い剪定で枝葉が急に減った、日当たりが急に良くなった、木が弱って上の枝に養分が届きにくくなった、といったことが挙げられます。
基本2出やすい樹種がある。出ること自体は珍しくない
ひこばえや胴吹き枝の出やすさは樹種によって違い、もともと根元から枝を出しやすい木や、幹から芽を吹きやすい木があるとされています。こうした木では、毎年ある程度出てくるのは普通のことで、それだけで心配する必要はありません。自分の庭の木が出やすい種類かどうかを知っておくと、変化に気づきやすくなります。植木屋さんに剪定を頼む際に聞いておくのもよい方法です。
基本3強く切り詰めたあとは、反動で多く出やすい
太い枝を途中で切る、高さを大きく下げるなど、強い剪定をしたあとは、失った枝葉を取り戻そうとするかのように、切り口の近くや幹から胴吹き枝が多く出やすいとされます。これは剪定への反応で、すぐに木が弱っているとは限りません。ただし、出た枝をすべて放置すると、かえって込み合った樹形になります。強い剪定の影響は庭木を低くする記事で詳しく解説しています。
基本4急に増えた胴吹き枝は、木の弱りのサインのこともある
強い剪定をしていないのに、幹のあちこちから急に胴吹き枝が出てきた場合、根の傷みや幹の内部の問題などで上の枝に養分や水が届きにくくなり、木が下のほうで枝を出そうとしている可能性があると説明されることがあります。上の枝の葉の付きが悪い、枝先が枯れてきた、根元に異常があるといった変化を伴う場合は、木全体の状態を見てもらうことをおすすめします。
基本5接ぎ木の木では、根元から出る枝が台木のものであることがある
バラや果樹、花木などの中には、別の木を台にして接ぎ木で育てられたものがあります。この場合、接いだ部分より下や根元から出る枝は、台木の性質を持った枝であることがあるとされます。台木の枝は勢いが強いことが多く、放っておくと上の本来の木が弱ることがあると言われます。根元から葉の形や色が違う枝が出てきたら、台木の枝を疑い、早めに付け根から取り除くのが基本です。
ひこばえ・胴吹き枝の扱い方の手順(4ステップ)
まず出ている場所と木の様子を確かめてから、切る作業に移ります。
- 1
どこから出ているか、急に増えていないかを確認する
根元や根から出ているのか、幹の途中から出ているのか、太い枝の切り口の近くから出ているのかを確認します。あわせて、最近強い剪定をしたか、例年と比べて急に増えていないか、上のほうの枝の葉の付きや枝先の枯れに変化がないかを見ます。急に増えていて木全体の元気がない場合は、切る前に写真を撮っておき、業者に相談する材料にしてください。
- 2
残したい枝がないかを考えてから、切る枝を決める
基本は取り除きますが、枯れた枝の代わりにしたい、株立ちの木で古い幹と入れ替えたい、低い位置に枝を作りたいといった場合は、勢いのよい枝を選んで残す考え方もあります。ただし、台木から出た枝は残さないでください。迷う場合は、すべて切ってしまう前に、植木屋さんに剪定を頼む機会に相談すると、樹形を見ながら判断してもらえます。
- 3
付け根から切り取る。小さいうちほど木への負担が小さい
切るときは、枝の途中ではなく、出ている付け根から切り取るのが基本です。途中で切ると、残った部分からさらに枝が出やすくなるとされます。小さく柔らかいうちなら、剪定ばさみで付け根から切るだけで済みます。根元のひこばえは、土の際まで切るように意識すると再び出にくくなるとも言われます。切った枝は自治体の分別に従って処分してください。
- 4
時期は小さいうちなら随時。太くなったものは剪定の適期に
まだ細く小さいひこばえや胴吹き枝は、見つけたときに取り除くのが一般的です。小さいうちに取れば、木への負担も小さく済むとされます。一方、放置して太く育ってしまったものは、ほかの枝と同じように、その木の剪定に向く時期に合わせて切る考え方があります。剪定の時期は樹種によって異なるため、剪定時期の記事もあわせてご覧ください。
ひこばえ・胴吹き枝でやってはいけないNG行動
NG:枝の途中で切って、短く残す
付け根を残して途中で切ると、残った部分からさらに複数の枝が出て、かえって込み合うことがあるとされます。見た目は一度片付いても、次に出てくる量が増えてしまいがちです。ひこばえや胴吹き枝は、出ている付け根から取り除くのが基本です。はさみが入りにくい場所は、無理に幹を傷つけないよう、道具を変えるか業者に任せてください。
NG:急に増えた胴吹き枝を、切るだけで終わりにする
強い剪定をしていないのに急に増えた場合、木が弱っているサインの可能性があります。切れば見た目は整いますが、原因はそのまま残ります。上の枝の葉の付きが悪い、枝先が枯れてきた、根元の土が盛り上がっている、幹に割れや変色があるといった変化がないかを確認し、気になる点があれば木全体を見てもらってください。
NG:接ぎ木の台木から出た枝を、元気だからと残す
台木から出た枝は勢いがあり、元気な枝に見えることがあります。しかし、放っておくと上の本来の木に回る養分が奪われ、本来の木が弱ることがあるとされます。花や実の性質も本来の木とは違うことが多いものです。根元から葉の形や色が違う枝が出てきたら、台木の枝を疑い、早めに付け根から取り除いてください。
NG:幹を傷つけながら、根元の枝を力任せに切る
根元に密集したひこばえを一度に片付けようとして、刃物を幹や根に当ててしまうと、そこが新しい傷になり、腐りや虫の入り口になることがあります。草刈り機で根元をまとめて刈るのも、幹の樹皮を傷めるおそれがあります。手間でも、一本ずつ付け根を確認しながら切ってください。数が多い場合は業者に任せるのも一つの方法です。
業者に相談したほうがよいケースと依頼の考え方
強い剪定をしていないのに胴吹き枝が急に増えた、上の枝の葉の付きが悪い、枝先が枯れてきた、根元や幹に割れ・変色・穴などの異常がある——こうした場合は、枝を切ることより木が弱っている原因を確かめることが先です。庭木の手入れを扱う業者に見てもらってください。また、高い位置の胴吹き枝で脚立が必要な場合、根元に太く育ったひこばえが密集している場合、接ぎ木の台木の枝か判断がつかない場合も、無理をせず相談するのが安全です。小さいひこばえを時々取り除く程度であれば、自分で対応できることが多いものです。
剪定とあわせて依頼する場合、費用は木の高さや本数、作業の量、処分量によって変わります。当サイトのレビュー記事作成時の調査では、剪定110番が剪定1本2,890円〜(出張費3,000円別途)という掲載値を確認していますが、これは最低価格であり、高い木や作業量の多い剪定がこの金額で収まるとは限りません。ひこばえや胴吹き枝の整理が剪定の範囲に含まれるかを見積もり時に確認しておくと安心です。
伐採後の切り株から出る芽については切り株を放置するとどうなる?、強く切り詰めた影響は大きくなりすぎた庭木を低くする、切る時期は庭木の剪定時期の基本、木が弱っているか気になる場合は庭木が枯れたかどうかの見分け方や庭木の幹が腐っている・空洞がある、葉の色の変化は庭木の葉が黄色・茶色になるをご覧ください。
急に増えた胴吹き枝は、木の状態ごと見てもらいましょう
ひこばえや胴吹き枝は、性質で出ることも、木の弱りのサインのこともあります。剪定とあわせて木の状態を見てもらうと安心です。現地調査・見積もり無料のサービスなら、金額を見てから判断できます。
ひこばえ・胴吹き枝のよくある質問
Q.ひこばえと胴吹き枝は何が違うのですか?
A.一般に、木の根元や根から出る若い枝をひこばえ、幹の途中や太い枝から出る枝を胴吹き枝と呼びます。どちらも、普段は眠っている芽が、剪定や環境の変化、木の弱りなどをきっかけに動き出したものと説明されます。扱い方の基本は共通で、多くの場合は小さいうちに付け根から切り取ります。
Q.切っても切っても出てきます。止める方法はありますか?
A.出やすい樹種では、ある程度出てくるのは自然なことで、完全に止めるのは難しいとされます。付け根から切る、小さいうちに取り除くことを続けると、出方が落ち着くことがあります。途中で切ると、かえって枝が増えることがあるので注意してください。強い剪定のあとに多く出ている場合は、次の剪定から切り方を見直すことも考えてください。
Q.胴吹き枝が出るのは、木が枯れかけているサインですか?
A.必ずしもそうではありません。強い剪定への反応や、樹種の性質で出ることも多いものです。ただし、強い剪定をしていないのに急に増えた、上の枝の葉の付きが悪い、枝先が枯れてきたといった変化を伴う場合は、根や幹に問題があって木が弱っている可能性があると説明されることがあります。気になる場合は、写真を撮って業者に相談してください。
Q.ひこばえを育てて、新しい幹にすることはできますか?
A.株立ちの木などでは、勢いのよいひこばえを選んで育て、古い幹と入れ替えていく考え方があります。ただし、接ぎ木で育てられた木の場合、根元から出る枝は台木のものであることがあり、育てても本来の木にはなりません。どの枝を残すか迷う場合は、植木屋さんに剪定を頼む機会に、樹形を見ながら相談するのが確実です。