雨水タンクの活用と散水|設置場所の決め方と使うときの注意
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雨水タンクは、屋根に降った雨を雨どいから取り込んでためておき、庭の水やりなどに使う設備です。夏場の水やりは量も回数も増えるため、ためた雨水を庭に回せると、水道の使用を抑えられます。じょうろに水を入れるために家の中と庭を往復する手間が減る、という実用的な利点もあります。
一方で、屋外に水をためておく設備なので、あふれた水の行き先、蚊の発生、冬の凍結といった注意点があります。置き場所を決めずに設置すると、あとから動かすのが大変です。本記事では、設置前に決めておきたいことと、使い続けるための管理を整理します。
結論:雨どいから取り込み、あふれた水の行き先を決めておく。ふたを閉じて蚊を防ぎ、冬は水を抜く
雨水タンクは、雨どいの途中に取水の部品を付けて水を分け、タンクにためる仕組みが一般的です。設置で最初に決めるべきは置き場所で、雨どいの近く、地面が平らで沈まない場所、水を汲むときに作業しやすい場所という三つの条件を満たす必要があります。水は重いため、満水のタンクはかなりの重量になります。柔らかい地面や傾いた場所に置くと、沈んだり傾いたりして危険です。次に大切なのがあふれた水の行き先で、タンクが満水になったあとの水をどこへ流すのかを決めておかないと、基礎まわりに水が回る、隣地へ流れる、といった問題が起きます。管理面では、ふたや網を閉じて蚊が入り込まないようにすることが重要です。動きのない水は蚊の発生源になります。冬は、内部の水が凍って膨らむと部品を傷めることがあるため、寒い地域では水を抜いておくのが基本です。用途については、ためた雨水は飲用には向きません。屋根やといのほこりが混じるためで、庭の水やりや掃除に使う前提で考えてください。自治体によっては雨水タンクの設置に関する制度が設けられている場合があるので、お住まいの自治体の案内を確認してみるとよいでしょう。
雨水タンクで押さえておきたい5つのこと
設備としては単純ですが、水をためるという性質から来る注意点があります。
基本1雨どいから水を分けてためる仕組み
多くの製品は、雨どいの縦の管に取水の部品を取り付け、そこから水をタンクへ導きます。タンクが満水になると、それ以上は雨どいの側へ流れる仕組みになっているものが一般的です。取り付け方は製品によって異なり、といの形状や太さによって使える部品が変わります。既存のといに手を加えることになるため、施工説明をよく読み、自信がなければ施工業者に相談してください。
基本2満水のタンクは重い。地面の条件が重要
水は体積のわりに重く、満水のタンクはかなりの重量になります。柔らかい土の上や、傾いた場所に置くと、時間とともに沈んだり傾いたりします。倒れれば周囲を傷つけ、人がいれば危険です。平らで沈まない面を用意し、必要であれば台やブロックを使って安定させてください。子どもが登れる場所に置かない配慮も要ります。
基本3あふれた水の行き先を決めておく
タンクが満水になったあとの水がどこへ行くのかは、設置前に決めておく必要があります。行き先を考えずに設置すると、建物の基礎のまわりに水が回る、低い場所に水がたまる、隣地へ流れるといった問題につながります。もともとの雨どいの排水経路へ戻す形が基本です。庭の水の流れについては、当サイトの庭の水はけ改善の記事も参考になります。
基本4ふたを閉じないと蚊の発生源になる
動きのない水がたまった状態は、蚊が繁殖しやすい条件になります。ふたや網が正しく閉じているか、隙間ができていないかを定期的に確認してください。取水口や点検口も同じです。落ち葉が入り込むと、水が汚れてにおいの原因にもなります。屋根や雨どいに落ち葉がたまりやすい家では、落葉期の点検を習慣にしましょう。
基本5冬は凍結への備えが必要
気温が氷点下まで下がる地域では、内部に残った水が凍って膨らみ、タンクや部品を傷めることがあります。寒い時期に使わないのであれば、水を抜いておくのが基本です。取水の部品についても、製品の説明に従って冬の扱いを確認してください。庭の水まわり全般の凍結対策については、当サイトの立水栓・散水まわりの記事にまとめています。
設置から使いこなすまでの4ステップ
置き場所と水の行き先を先に決めておけば、あとの管理はそれほど手間ではありません。
- 1
雨どいの位置から置き場所の候補を絞る
雨どいの縦の管がどこを通っているかを確認し、その近くで平らな場所を探します。あわせて、じょうろやバケツに水を汲む動きがしやすいか、庭の通り道をふさがないかも確認してください。玄関や物干しのそばは、水が跳ねる、通行の妨げになるといった点で不向きなことがあります。狭い庭では、置ける大きさから逆算して製品を選ぶことになります。
- 2
地面を整えて、あふれた水の行き先を決める
満水時の重さを想定し、沈まない平らな面を用意します。必要なら台やブロックで高さを出すと、水を汲むときに使いやすくなります。同時に、あふれた水がどこへ流れるのかを決めます。基本は、もともとの雨どいの排水経路へ戻す形です。低い場所にたまるようなら、地面の勾配や排水の状態も確認してください。
- 3
取り付けて、初回はためた水を捨てる
取水の部品を雨どいに取り付け、タンクにつなぎます。取り付け方は製品と雨どいの形状によって変わるため、説明書をよく読み、自信がなければ施工業者に依頼してください。設置直後は、屋根やといにたまっていたほこりや落ち葉が混じるため、最初にたまった水は庭にまくか捨てて、様子を見てから使い始めるとよいでしょう。
- 4
ふたと網を定期的に確認し、季節に応じて水を抜く
ふたや網に隙間ができていないかを定期的に見ます。落ち葉が入り込んでいれば取り除きます。長く使わない期間があるときは、水をためたままにせず入れ替えるほうが状態を保てます。寒い時期に使わないのであれば、水を抜いておきます。あわせて、雨どいや屋外の桝に落ち葉がたまっていないかも確認しておくと、雨のときの流れが安定します。
雨水タンクでやってはいけないこと
NG:ためた雨水を飲用や調理に使う
屋根や雨どいを通った水には、ほこりや落ち葉、鳥のふんなどが混じります。見た目がきれいでも、飲用や調理に使う水としては扱えません。庭の水やり、道具の洗浄、外まわりの掃除といった用途に限って使ってください。子どもが誤って飲まないよう、扱い方も家族で共有しておきましょう。
NG:ふたを開けたまま、または隙間がある状態で放置する
動きのない水は蚊の発生源になります。ふたや網に隙間があると、そこから入り込んで繁殖します。落ち葉が入れば水が汚れ、においの原因にもなります。ふたと網の状態は、季節を問わず定期的に確認してください。使わない期間が長い場合は、水を抜いておくのも一つの方法です。
NG:柔らかい地面や傾いた場所に直接置く
満水のタンクはかなりの重量になり、柔らかい地面では沈み、傾いた場所では倒れる心配があります。倒れれば周囲の物を傷つけ、人がいれば危険です。平らで沈まない面を用意し、必要に応じて台やブロックで安定させてください。子どもが登れる位置に置かない配慮も必要です。
NG:あふれた水の行き先を決めずに設置する
満水になったあとの水がどこへ流れるかを決めていないと、建物の基礎のまわりに水が回る、低い場所にたまる、隣地へ流れるといった問題が起きます。設置前に排水の経路を確認し、もともとの雨どいの排水へ戻す形を基本に考えてください。庭に水がたまりやすい場所がある場合は、そこへ導かないよう注意します。
業者に相談すべきケースと領域の切り分け
雨水タンクの設置は、製品によっては自分で取り付けられますが、雨どいに手を加える作業が含まれます。(1)雨どいの形状に合う部品が分からない、(2)といが高い位置にあり作業が危険、(3)タンクを置く地面を作り直す必要がある、(4)あふれた水の排水経路をつくる必要がある——こうした場合は、施工を扱う業者に相談してください。雨どいそのものの不具合が疑われる場合は、建物側の工事として扱う必要があります。工事の区分は庭のリフォームと外構工事の違いにまとめています。
庭側の作業としては、雨どいや屋外の桝に落ち葉がたまらないよう、周囲の木を整える依頼が中心になります。当サイトのレビュー記事作成時の調査では、剪定110番が剪定1本2,890円〜(出張費3,000円別途)、お庭マスターが剪定1本550円〜という掲載値を確認しています。いずれも下限の金額で、木の高さと本数で総額は変わります。屋根にかかるほど育った木の処理は伐採110番、タンクを置く場所の草を片付けるなら草刈り110番(1平米600円〜の掲載料金)、庭全体を年間で見てもらうならsmileガーデン、作業単位で近隣の事業者を比べたいならくらしのマーケットが候補です。
なお、水やりの負担そのものを減らしたいのであれば、ためる以外の方法もあります。土を覆って乾燥をやわらげる、乾きに強い植物を選ぶ、といった方向です。関連する内容は庭木の水やりの基本、夏の庭の水やりと猛暑対策、立水栓・散水まわりの基礎知識、庭の排水桝の点検の基本もあわせてご覧ください。地域から探す場合は前橋の庭業者まとめや宮崎の庭業者まとめが便利です。
雨水タンクに関するよくある質問
Q.雨水タンクの水は何に使えますか?
A.庭の水やり、道具や外まわりの洗浄、掃除といった用途が基本です。屋根や雨どいを通った水にはほこりや落ち葉などが混じるため、飲用や調理には向きません。見た目がきれいでも同じです。用途を家族で共有し、子どもが誤って飲まないようにしておきましょう。植物にかける場合も、汚れが目立つ状態の水は避けてください。
Q.設置は自分でできますか?
A.製品によっては自分で取り付けられますが、雨どいに取水の部品を付ける作業が含まれます。といの形状や太さによって使える部品が変わり、高い位置での作業が必要になることもあります。無理のない範囲かどうかを確認し、自信がなければ施工を扱う業者に依頼してください。タンクを置く地面を作り直す必要がある場合も、業者に相談する範囲になります。
Q.蚊がわくのが心配です。
A.動きのない水は蚊の発生源になるため、ふたや網が隙間なく閉じているかを定期的に確認してください。取水口や点検口も同様です。落ち葉が入り込むと水が汚れ、においの原因にもなります。長く使わない期間があるときは、水をためたままにせず入れ替えるか、抜いておくと安心です。庭の中に水がたまる容器を置かないことも、あわせて効きます。
Q.冬はどうすればよいですか?
A.気温が氷点下まで下がる地域では、内部に残った水が凍って膨らみ、タンクや部品を傷めることがあります。寒い時期に使わないのであれば、水を抜いておくのが基本です。取水の部品の扱いは製品によって異なるため、説明書の記載を確認してください。庭の水まわり全般の凍結への備えについては、当サイトの立水栓・散水まわりの記事も参考になります。